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千葉の旅と歴史
千葉の旅      香取市

香取神宮
かとりじんぐう
千葉県香取市香取1697ー1
Tel 0478-57-3211


 香取神宮は式内社、下総国一宮で日本全国に約400社ある香取神社の総本社です。同県神栖市にある息栖神社、茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮と合わせて東国三社の一つにも数えられています。
 創建は神武18年に神武天皇により造られたと伝えられる大社で、伊勢神宮が上参宮と呼ばれるのに対し下参宮といわれました。平安時代に「神宮」の称号で呼ばれていたのは、延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)によると、伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮の3社だけでした。
 祭神は出雲の国譲りの神話に出てくる経津主大神(ふつぬしのおおかみ)です。「香取さま」と呼ばれ、家内安全、心願成就、縁結び、安産の神として信仰されています。他に武甕槌命・比賣神・天兒屋根命を祀っています。
 経津主大神は出雲の国譲り神話で鹿島の武甕槌大神(たけみかずちのおおかみ)と一緒に大国主神を説得した神様です。その後国内を巡り、東国、東北の各地を鎮定し、この地に留まったといわれています。
 香取神宮は鹿島神宮と共に、北方の蝦夷に対する護りの要であり、国土鎮護の宮でした。武神として朝廷や、武将たちの尊信を集め、源頼朝や足利尊氏の寄進状なども現存しています。室町中期には日本兵法中興の祖と呼ばれる飯篠家直が創始した天真正伝香取神道流が、この地で生まれました。
 彼は兵法とは平和の法なりと説き、彼の流派から塚原卜伝、剣豪将軍足利義輝や、上泉信綱の新陰流、柳生新陰流、幕末長州の桂小五郎、新撰組芹沢鴨が学んだ神道無念流、勝海舟が修めた直心影流などが生まれたそうです。

 元禄13年(1700)、徳川5代将軍綱吉は本殿や楼門を造営し、寄進しています。約4万坪の境内には、本殿、幣殿、拝殿、祈祷殿、楼門、宝物館、神徳館、弓道場、社務所などがあります。
 境内の神社には、奥宮、鹿島新宮、又身神社、桜大刀自神社、匝瑳神社、向栄神社ほか9社が奉られています。武将らの崇敬篤く、江戸時代には祭神の事跡を慕う武道家が参篭して武技を練る者が大勢いたそうです。
 明治には官幣大社、昭和17年(1942)には勅祭社に定められるなど各時代で最高の社格を有しました。現在も皇室からの崇敬が最も篤く、元旦早朝に天皇陛下が東方を向き、香取・鹿島両神宮に手を合わせるそうです。
 香取神宮では12年に1度、水上で御船祭が執り行われます。鹿島神宮の祭神である武甕槌大神と、香取神宮の祭神である経津主大神の武神が水上で再会するというお祭りで、平安絵巻さながらに古式の船を行列に組む祭だそうです。


 香取神宮の楼門は元禄13年(1700)、徳川5代将軍綱吉によって造営されたものです。朱塗りで三間一戸の純和様、入母屋造り、銅板葺きです。楼門内の右側には、大和朝廷初期の大臣「竹内宿弥」、左側には大化の改新を成し遂げた「藤原鎌足」の像が置かれています。
香取神宮楼門
 本殿の前に建つ楼門に掲げられている額は大日本帝国海軍大将「東郷平八郎」の筆によるものです。楼門は昭和58年(1983)国の重要文化財に指定されています。
香取神宮楼門

 拝殿は元禄13年(1700)に本殿や楼門などと一緒に造営されました。昭和13年(1938)に現在の拝殿が新築され、それまでの拝殿は旧拝殿として移築されています。(市指定文化財)檜皮葺き、黒漆権現造りの社殿です。
香取神宮拝殿

 香取神宮の本殿は、平安時代には伊勢の神宮と同様に20年ごとに建て替えられていました。現在の本殿は、元禄13年(1700) 徳川5代将軍綱吉によって造営されたものです。
香取神宮本殿
 桃山様式を取り入れた正面柱間三間の流造に後庇を加えた両流造りで桧皮葺きとなっており、神社建築を代表する建物です。現在屋根は桧皮葺ですが、もとは柿葺でした。規模も大きく、また建築様式も近世前期の正統的な手法を用いていて、昭和52年(1977)国の重要文化財に指定されています。
香取神宮本殿

 宝物館は、昭和41年(1966)式年大祭を記念して建設され多くの文化財が展示されています。県の工芸品で唯一の国宝となっている白銅質の円鏡「海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)」、重要文化財の阿吽(あうん)一対の古瀬戸黄釉狛犬、双竜鏡、「香取大禰宜家文書」、源頼朝の寄進状、徳川家康寄贈の太刀一振り、天真正伝香取神道流の奥義書や古文書などがあります。
宝物館

 鹿島神宮にもあった要石が香取神宮にもあります。直径30cmの自然石です。地中で暴れ地震を起こす大ナマズを鎮めるために香取と鹿島の神様が地中に石棒を差し込み、鹿島の神様はオオナマズの頭を押さえ、香取の神様は尻尾を押さえていると伝えられています。徳川光圀(水戸黄門)が参拝の折、この石を掘らせましたが根元をみることができなかったといわれています。
要石

  香取神宮社殿の周囲には、古代以来、守り続けられた社叢林が残されています。香取の森と呼ばれ、そこには幹周り3mを超す杉の巨木が林立しています。御札所前にある御神木は、樹齢1000年以上といわれ幹周り約10mの巨木です。
御神木

 神徳館表門は香取市指定文化財に指定されている江戸末期の建物です。香取神宮の広大な敷地には数々の摂社や末社が鎮座しています。大鳥居から神殿まで樹齢数百年の杉の大木が続いています。
神徳館表門


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